ピリオド・ヴィンテージ(Period Vintage)とは…
国立楽器サロン・ド・ノアン店では、さらにプレイエル社創業当初の
1807年から1800年代末までに製造されたプレイエル・ピアノを
「ピリオド・ヴィンテージ」として位置づけております。
ショパンが愛用していた1830〜40年代は、プレイエル・ピアノにとって絶頂期に当たります。
プレイエル社は、様々な時代や変革の波に押されつつも、ショパンの時代に
確立された基本構造や、その繊細で甘美な音色を19世紀末まで保ち続けていたのです。
当店では、ショパンが愛用していた時代のプレイエル・ピアノを始めとする
「ピリオド・ヴィンテージ」を皆様にご紹介して参ります。
当店では、一般のお客様からコレクターや専門家の方まで、多様なご要望に幅広く
お応えするため、プレイエル・ピアノを始めとする、各種ヴィンテージ・ピアノや
ピリオド・ヴィンテージの情報をご紹介致します。
なお、ピリオド・ヴィンテージに就きましては、世界的にも大変貴重で、非常に稀少な楽器です。
そのため常時お取扱いが出来ませんので御了承下さい。
プレイエル グランドピアノ モデルNo,3 1862年製
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プレイエル グランドピアノ モデルNo,3 1862年製
外装:ローズウッド材フレンチポリッシュ仕上げ
全長:約218cm 幅:138cm 高さ:95cm
音域:7オクターヴ85鍵(白鍵:象牙、黒鍵:黒檀)
ペダル:2本
製造:1862年暮頃 シングルアクション搭載
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御成約いただきました。誠にありがとうございます。
プレイエル社にとって、後々までグランドピアノの主力モデルとなったNo,3は、
セミコンサートピアノモデルのNo,2の小型版として1858年に登場しました。
登場した当時は全長215cmでしたが、これが1867年には全長220cmに拡大して、
さらに1891年には225cmまで拡大した後、
1900年以降、現代のピアノ構造が確立された後は、204cmに落ち着きました。
当店のシノワズリー1903年製も、このモデルに当たります。
その後、1935年にはモデルCと改称して全長も200cmとなり、
戦後1961年にエラール・ガヴォーとの合併を経て、
1971年ドイツ・シンメル社に製造と商標が移行するまで製造され続けました。
製造当時の外装形状の基本仕様では、竪琴状のペダルリラ、達磨足の彫刻装飾付きでした。
支柱部分
シングルアクション
ハンマーの形状
フレームの形状1
フレームの形状2
独特のダンパーの形状
このピアノはショパンの没後から13年後に製造されましたが、
この頃、アメリカからチッカリングやクナーベ、スタインウェイ等、
ドイツからグロトリアン・シュタインヴェークやベヒシュタイン等の
革新的構造を持つ楽器の登場が目立ち、一気にモダンピアノの確立へ邁進して行った時代に当たり、
フランスのピアノはこの頃から、いささか国際的にも保守的な立場をとって行くようになります。
このプレイエルは、シングルアクションや、平行弦のネジ止め式フレームの半鉄骨方式、
独特の形状のダンパー等、1830〜40年代のショパン時代のプレイエルの基本仕様とほとんど同じで、
ショパンが弾いていた当時のプレイエルのクオリティを実体験できます。
また、当時のプレイエルは綿密な設計のもと、大変細部に至るまで緻密に造られており、
言うまでもなくショパンが魅せられていた、大変優雅で響き渡る、
魅力的な音色を持っており、この時代のフランスピアノの一つの完成形を示していると思われます。
ショパン自身が、当時のプレイエルを「完全無欠」と語ったと言われていますが、
このピアノの特徴こそショパンにとって完全なものだった事を実感させられます。
この時代のプレイエルは、ショパン時代のものと同じく、
世界的にも貴重なプレイエルの一つと言う事が出来るでしょう。
このメーカー名のプレートには、当時のプレイエル社の社名を示す
「Ignace PLEYEL & Companie Paris」の文字の周囲に3種類の受賞記録が記されています。
まず正面左に「Medailles d'Or en 1827,34,39,44」とありますが、
これは1827年(ベートーヴェンが亡くなった年),1834年,1839年,1844年に開催された博覧会にて、
プレイエル社のピアノが金メダルを受賞した事を表すもので、
正面右の「Hors de Concours en 1849」は、1849年(ショパンの亡くなった年)の博覧会にて、
プレイエルピアノが大変優秀な為に無審査(審査外)となった名誉を受けた事を表しています。
そして中央の「Medaille d'Honneur Exposition Universelle de 1855」は、
皇帝ナポレオン3世の第2帝政下で開催された1855年の第1回パリ万国博覧会において、
名誉のメダルを受賞した事を表しています。
内部の棚板部分に、当時の社名「Pleyel Wolff et Companie」の文字があり、
当時プレイエル社の3代目社長オーギュスト・ヴォルフの時代であった事を表しています。
彼は、1855年に2代目社長のカミーユ・プレイエルから会社を引き継いで、
その後のプレイエル社を大きく発展に導いた人物です。
文責:松原 聡