和泉清孝 ベルギー便り

ベルギーで活躍するピアニスト、和泉清孝

 
 
 
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4月23、25、27日 グリーグ「抒情小曲集」とストリンドベリ「人形の家」

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 約2年前に同じプログラムで演奏会をやりましたが、今回はその再演となりました(過去の日記を参照)。これはとても個性的な企画で、ピアノ演奏と物語の朗読が交互に行われます。ノルウェーの作曲家グリーグの音楽にスウェーデンの作家ストリンドベリの小説が組み合わされ、朗読は前回と同様に、政治評論家であるヴァンデ・ローベルボッシュ氏が担当しました。今回は3つの街で演奏したのですが、それぞれの場所によって聴衆の反応は様々でした。これはとても興味深い事だったので、この事について少し書きたいと思います。

 第1回目は、へーレンタルスという街にある教会での演奏です。教会なので天井は高く、非常に響きの良い場所でした。演奏会が始まる前から、教会の中はとても静かでした。普通であれば、開演前には人の話し声で賑わうものなのですが。。。演奏会は、まず僕のピアノ演奏で幕を開けます。そして、その後朗読が始まりました。マイクを使っての朗読だったのですが、その響きが神父の説教を連想させます。教会のマイクには独特な響きがあるのです。聴衆はひたすら静かに聴き続けました。ここの人達はおそらく毎週この教会へミサを聴きに来るのでしょう。それ故に、ここでは静寂を保つ習慣があるのだと思います。



 第2回目はリールという美しい街にある、音楽アカデミーの演奏会用ホールで行われました。ここの聴衆は前回の所とは全く違っていました。演奏の合間にも感嘆の声や、ため息などが聞こえ、我々演奏者と共に、物語を辿っているのが感じられました。ただ、ホールのピアノが調律されて無く、これには参りました。。。。



 第3回目はブッハウトという街で、このホールでは昨年も演奏させて頂きました。ここでの反応も、また全く違うものでした。まず僕の最初の曲が終わると同時に大きな拍手が。基本的には全ての曲と物語が終わるまでは、拍手なしで通すのですが。

そして驚いた事に、朗読が始まったとたんに大爆笑の連続。まるで漫才を聞いているような反応です。彼らが余りにもよく笑うので、途中からは朗読者の口調も、かなり砕けたものになってきました。良く聴いてみると、確かに所々に小さな冗談が織り交ぜられています。実は非常にユーモアに富んだ物語(もちろん翻訳の仕方にもよると思いますが。ちなみにこれはオランダ語訳です)だったようです。今まで全く気がつきませんでした。この会場には多くの知人や生徒が聴きに来てくれていたので、全体的にもとても家庭的な雰囲気でした。演奏会終了後には皆とのお喋りもはずみ、楽しい夜となりました。

2010年06月14日 和泉清孝
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