和泉清孝 ベルギー便り

ベルギーで活躍するピアニスト、和泉清孝

 
 
 
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2月10日 ブリュッセルにてピアノデュオ・リサイタル

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 12年程前、僕の恩師であるケンデ先生夫妻がブリュッセルのこの王立古典美術館で演奏会をなさった事がありました。アントワープから遥々ブリュッセルまでそれを聴きに来た覚えがあります。その演奏を聴きながら、「自分もいつかはここで演奏出来る日が来るのだろうか」などと漠然と考えていたのを思い出します。その当時の僕にとっては夢のような話でした。それから長い年月が経ち、今その舞台に自分が立っています。昔の事を思い出し、感無量でした。

 王立古典美術館はブリュッセル中央駅から近くにある、とても重要な、そして大きな美術館です。当然ながら旅行ガイドブックにも詳しく載っています。今までここを訪れたのは一度だけで(12年前)、その時は演奏会だけを聴いて帰ってしまったので、ここの絵画を見たことはありませんでした。そして今回もピアノ演奏だけをして帰ってしまったので、ここにはもう一度必ず美術鑑賞のために戻って来る必要があります。後日ガイドブックを読んで、見逃したものが非常に大きかった事を知りました。

 とても豪華な造りのホール、素晴らしい音響。全てが昔のままです。その当時非常に強い印象を受けたので、全てをはっきりと覚えていたのです。この日は主催者の希望により、前半は僕の独奏でシューマンを、後半はピアノ・デュオでヨンゲンとラフマニノフを演奏しました。色々な思いがあり、演奏会の二週間前からいつになく緊張していました。演奏会でこれ程までに緊張するのは久しぶりの事で、良く眠れない日が続き、まるで初めて演奏会に出演する時のような心境でした。演奏会を無事に終える事ができ、聴衆から大きな拍手を貰った時には、内心ホッとしました。僕を1人前のピアニストに育てて下さったケンデ先生夫妻には、もう一度心から感謝の念を述べたいと思います。

また次回この素晴らしいホールで演奏できるのを、楽しみに待つ事にします。


2010年03月10日 和泉清孝
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