和泉清孝 ベルギー便り

ベルギーで活躍するピアニスト、和泉清孝

 
 
 
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ドイツへの演奏旅行

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4月3日 グッティンゲン

 ドイツでは初めての演奏会です。グッティンゲンはアントワープから北東へ車で約6時間上がった所にあります。この街の郊外にある教会で、まず最初の演奏会がありました。

 今回の共演者はドイツ人とアメリカ人のハーフであるチェリスト、ブンゼンダール氏で、昨年も一緒に演奏しました(1ヶ月前はトリオで共演)。お時間があれば、昨年の日記も読んでみて下さい。演奏会では、まずチェロのソロ、そしてピアノとのデュオ、休憩を挟み僕のピアノ・ソロ、最後にまたデュオという形式で、僕等は毎回このスタイルを貫いています。とても寒い教会でしたが、聴衆は静かに最後まで聞いて下さいました。最後の曲が終わり、拍手が長く続きます。皆アンコールを待っているのですが、ブンゼンダール氏は「寒いからもう弾きたくない」とごねりました。それでも僕が無理やりに引っぱり出し、1曲弾かせてしまいました。演奏家としては当然の仕事ですよね。実は僕も過去に1度アンコール曲を弾かなかった事があるのですが、今はとても反省しています。。。。


4月4日 バット・カールスハーフェン

 その次の日は違う街での演奏会です。今回は3つの演奏会があったので、僕等はその3つの場所の丁度中間点に滞在していました。小さな田舎村で名前は忘れてしまいましたが、自然の真っ只中で素晴らしい所でした。目の前には川が流れ、朝は馬や牛、羊の鳴き声で目覚めます。ドイツにはこのような素晴らしい田園風景が多く存在します。ドイツ生まれのベートーヴェンが「田園交響曲」や「田園ソナタ」を生み出したのも、うなずけるところです。

 この日の演奏会があったバット・カールスハーフェンは、温泉があり療養地として有名な所だそうです。また、フランス人の建築家によって街が設計されたという事で、全ての建物の窓の高さが統一されているのが特徴的でした。更に真っ白い壁もドイツではあまり見られない風景だと思います。
 演奏会はこの街の中心にある市役所で行われましたが、ここでは毎月定期的に演奏会が行われているそうです。運河の前に静かに佇むこの風景は「美しい」としか言いようがありません。中のホールもとても綺麗で、演奏会には最適な音響も兼ね備えていました。



4月5日 グッティンゲン

 第1日目に演奏した街ですが、今度は街の真ん中にある大きな総合病院でした。ここではとても素晴らしい斬新的なアイデアが使われていました。演奏会は病院の中心にある大広間で行われるのですが、病院の中には院内での移動も困難な方達が多くいます。斬新的なアイデアとは、この広間に設置されたマイクが病院内の全室へ接続されていて、患者さんはイヤホンから演奏が聴けるのです。これにより2000人以上の人に新鮮な音楽を届ける事が可能になっているのです。最初に主催者から「2000人が聴く」と言われた時には大いに緊張しましたが。。。。更にこの演奏会は録音されていて、数日後に国内のラジオで放送されました。

 今回は3日続けての演奏会で体力的にも大変でしたが、その分ドイツの豊かな自然に触れることができ、心の保養になりました。
2009年05月14日 和泉清孝
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