和泉清孝 ベルギー便り

ベルギーで活躍するピアニスト、和泉清孝

 
 
 
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ゲントにてピアノデュオ演奏会、ベーヴェルにてピアノ・リサイタル、フォールスホーテン(オランダ)でのピアノ・デュオ演奏会

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1月30日 ゲントにてピアノデュオ演奏会

 今回は普通の演奏会とは大きく異なったユニークなものでした。ベルギーの大手銀行によって主催され、聴衆もその銀行職員に限定され、会場は「ベイローケ」というゲントを代表するコンサート・ホールでした。もともとは教会だった建物がコンサート・ホール用に増築されたのですが、それでも教会の古い壁がいたる所に顔を見せ、新旧の混ざった特別な雰囲気を醸し出しています。演奏会というよりも演説会に近い今回のイベントは、いかにこの経済不況を乗り切るか、というテーマのもとに、銀行の上役の方達の演説に僕等のピアノ演奏、さらにコメディアンのお話、踊りなどが混ざり、銀行の職員を叱咤、激励する為に企画されたようです。不況を乗り切るポイントは「2つの力を合わせる」事だそうで、銀行内の2つの違った組織が協力し合う必要性を訴えていました。そのような理由から、2人のピア二ストによるデュオ演奏、司会者も2人と全てデュオで統一されています。そこに巨大スクリーンによる映像も加わり、とてもダイナミックなイベントとなりました。映像には映画「ローレル&ハーディー」や「ブルース・ブラザース」(両方とも有名な2人コンビだそうですが、僕は全く知りませんでした。皆さんはご存知ですか?)が登場し、その音楽も僕等が担当しました。もちろん連弾用の楽譜などは存在しないので、僕が映画を何度も見て編曲する必要があったのですが。映画音楽も悪くはないですね。その他にモーツァルト、グリーグ、ラフマニノフの曲も演奏しました。

  また普通の演奏会と違い、共演者(?)が多くいたので、演奏の順番や始めるタイミングなど綿密なリハーサルが行われました。以前に人形劇団と共演した経験がここで生きたようで、滞りなく合わせる事が出来ました。それでも本番の常で、必ずアクシデントは起こるものです。本来僕等が弾き始める時に、誤ってコメディアン達が踊りながら出てきてしまうハプニングがあり、急遽予定変更。弾き始めようと振り上げた手を慌てて膝の上に戻しました。。。。一瞬の冷や汗。。。。お客さんは特に気付かなかったようです。皆とても満足げでした。  たまにはこのようなユニークな演奏会があっても良いかもしれませんね。


 


2月7日 ベーヴェルにてピアノ・リサイタル

 ベーヴェルはアントワープの南西、電車で2時間半の所にあります。ブリュッセルの丁度西に位置するこの村(街より村と呼ぶべきでしょう)は本当に静かな田舎村でした。広々とした丘が続き、電車の車窓からの眺めには目を見張る美しさがありました。慌しく家を出てきたので、カメラを持参するのを忘れてしまったのが残念でなりません。さて、この村の中心にゆったりと佇む礼拝堂で演奏会は行われました。この礼拝堂(昔は礼拝堂でしたが、今は演奏会のためにしか使われないそうです)の持ち主が親友の誕生日を記念してこの演奏会を企画したそうです。礼拝堂だけあって、天井がとても高く素晴らしい音響です。偶然にも選んだ曲目がグリーグとショパンだったので(特にグリーグはゆっくりの曲が多い)、最高の響きでした。これ程までに心地良く演奏できるホールは珍しいと思います。更に弾いたピアノはべヒシュタインでした。演奏会の後には豪華なディナーが用意されていたのですが、次の日にオランダでの演奏会が控えていたので泣く泣く辞退して帰宅しました。。。。それでも家に着いたのは夜中の12時でした。


2月8日 フォールスホーテン(オランダ)でのピアノ・デュオ演奏会

 今度はアントワープから北へ国際電車で2時間半です。この週末だけでかなりの距離を移動した事になります。朝早く慌しく出掛けたので、またもやカメラを忘れてしまいました。。。。。かろうじて演奏会の写真はカメラマンによって撮られていましたが。フォールスホーテンと言っても余りよく聞かない町名ですが、デン・ハーグからそれ程遠くない所にあります。この日はあいにくの大雨、そして大雪でした。会場は何と総合病院で、ここで毎月クラシック音楽の演奏会が行われているそうです。病院で定期的に演奏会があるとは珍しいですね。もちろん病院外からもたくさんの人が聴きに来るそうです。

  それ程大きな場所ではありませんでしたが、演奏会はほぼ満員でした。豪華にもスタインウェイのピアノだったのですが、残念なことに(これは実は起きてはいけないハプニング)調律がなされていませんでした。前日に調律士が来る予定だったそうですが、「来るのを忘れた」そうで、それから当日僕が言うまで誰も気が付く人がいなかったようです。。。。リハーサルで最初の1小節を弾いた時点ですぐにわかりましたが、時すでに遅しでした。1時間後が開演だったからです。
  主催者や僕等の心配をよそに、お客さんは大満足のようでした。また来年もここで演奏する事になりそうです。その時は是非調律したピアノで演奏したいですね。

 
2009年02月11日 和泉清孝
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